
菊屋稲荷社縁起の大絵馬制作について
菊屋稲荷社再建百周年記念事業として昭和7年に宮澤幸三郎氏より奉納された大絵馬を再生することになり、菊屋稲荷社の縁起をモチーフにした大絵馬の制作を碓田順彦画伯に依頼し、令和7年9月に拝殿に奉納することになりました。
絵馬制作のあゆみ
❤令和6年4月、絵馬制作の依頼を受けて以来、世話役員方々の熱意に満ちた営みに触れる度、再建100周年への意気込みを肌で感じ、制作意欲が一層高まって来るのであった。
❤取材(スケッチ)に訪れる度、社の屋根から突き出た古樹のオブジェが印象的で、今日まで風雪に耐えて全ての災いをはねのけ社を守って来た姿に、ある時遂に閃く瞬間!! それは“龍”の姿であり、この絵馬の骨格が見えて来た日であった。
神の使い“白狐”が、宝蔵を開く秘鍵を届けにやって来るのを、稲荷の秘法の巻物を堅持する“龍”が見守る姿の様であった。
❤その昔、菊屋に三尺坊が訪れた縁で、家富み栄えた事から、その戸隠三尺坊尊像が今も見守っている姿を入れたい。また菊屋開基の4社寺を遠景に配し、源頼朝、武田信玄が参拝した歴史も―。
❤菊屋は、大火や大地震の際にも無事であった。山崎氏の屋号である菊屋の名に相応しい高貴な“菊”の花を配すると共に、北信濃の豊かな自然と実りの景色を入れたい。
❤時空を越えて、命を守り続ける稲荷の想いを込めて、菊花の影に未来を築く子供達の姿を入れ、更に人々の生活を支える市庁舎も―。
❤再建100周年を機に、広く世界の平和につながる永遠の祈りを込めて、この機会を与えていただいた事に感謝申し上げます。
(2025年4月20日、碓田順彦 記)
うすだ よりひこ
碓田 順彦 画伯のプロフィール
| 昭和13年生、信州大学教育学部美術学科卒、日本水彩画展内閣総理大臣賞など受賞多数、安井賞展出品、一陽会委員審査員、長野県展審査員、日本水彩画会参与、長野県カルチャーセンター水彩画講師、長野市南千歳町在住 |
